計算機利用に関わるコストの低減と利便性の向上への要求から、 ネットワークを介した資源共有技術への期待がますます高まっている。 資源のひとつとして計算機の周辺機器が挙げられ、 ネットワーク上で共有し制御可能な環境が望まれている。 デバイスを有効活用し利便性を向上させるためには、 ネットワーク透過なデバイス制御を提供した上で、 各種OSの計算機同士で容易にデバイスを共有できなければならない。 しかし既存の資源共有機構やデバイス制御手法はいずれも 要求事項を満たさない。
本論文では、ネットワークを介した周辺機器を 共有可能なアーキテクチャを提案する。 ここではネットワーク透過なデバイス制御方式に対する要求を明確にし、 それら要求を満たす制御方式によるデバイス共有機構を実現する。 またアーキテクチャを階層化して、複数の制御方式やさまざまなOSに対応できる デバイス管理機構を設ける。 ネットワーク透過なデバイス制御手法のひとつとしてUSB/IPを開発し、 アーキテクチャの必要性や有用性を検証した。