DNAマイクロアレイにおけるハイブリダイゼーション過程の時系列計測

春名かおり(0251095)


DNAマイクロアレイは、多種の遺伝子の発現量を一度に計測できることから、 遺伝子機能解析の研究にとって不可欠なツールとなっている。 現在のマイクロアレイでは、検出対象のDNAをマイクロアレイ上のスポットに ハイブリダイズをさせるに多大な時間を要しており、 その時間効率の悪さが現在の問題点の一つとして挙げられている。 本研究では、この問題点を解決するために、液中において、ハイブリダイズしていく過程を時系列で計測して ハイブリダイゼーションからデータ取得にかかる時間を短縮することを目的として、 実時間観測型のDNAマイクロアレイを開発した。 本装置では、蛍光標識したターゲットがプローブDNAに対して吸着する状態をエバネッセント照明により計測し、 その吸着情報を元に最終的な各スポットのハイブリダイズ量を推定する。 本システムではエバネッセント顕微鏡で使用するフローセルを作製し、その中でハイブリダイズ過程の時系列計測に成功した。 これにより、エバネッセント顕微鏡とフローセルを組み合わせて使用することで、 マイクロアレイの状態を時系列で観察し、データ取得に要する時間を短縮できると考える。