題目:Webユーザビリティの定量的評価を目的としたWeb閲覧者の視線計測実験

中道 上 (0251080)


 本論文では,Jakob Nielsenが指摘しているWebユーザビリティに関する20の問題点(リンクテキストからリンク先の内容が予想できない,メニューのレイアウトが悪い,など)とWeb閲覧者の注視点の移動距離,移動速度という定量的な視線情報との関連を調べるために行った実験について述べる.

 実験では,まず被験者にタスクを設定し,Webサイトから目的の情報を探す際の注視点を記録した.タスク後,被験者が閲覧したWebページに含まれる問題点を質問紙とインタビューで収集した.被験者が閲覧したWebページは,注視点の移動距離3段階(長い,普通,短い),注視点の移動速度3段階(遅い,普通,速い)を組み合わせた9つに分類した.そして被験者が指摘した問題点を分類ごとに集計した.その結果,注視点の移動距離が長いWebページほど問題を多く含むことがわかった.また注視点の移動が速いWebページはレイアウトに関する問題を含み,注視点の移動が遅いWebページはテキストに関する問題を含むことがわかった.