アクティブソフトウェアを効率的に実行する再構成可能アーキテクチャの提案

伴野 充 (0251076)


アクティブソフトウェアとは自分の計算状況を監視して,自分の状態や計算手順を調整する機能をもつソフトウェアである. アクティブソフトウェアは能動関数と呼ばれる内部に起動条件をもつ関数で記述され,自身の起動条件が成立すると起動する. そのため,アクティブソフトウェアでは能動関数の起動条件の判定,能動関数の起動・実行といったことが並列かつ頻繁に行われるという性質をもっている. よって,アクティブソフトウェアの実行には効率的な条件判定機構と能動関数の起動機構が必要とされる. そこで,本研究では効率的に能動関数を処理するためのアクティブソフトウェア向けアーキテクチャを提案する. 近年,回路の構成を変えることにより様々な機能を実現するリコンフィギャラブルコンピューティングの研究が盛んに行われている. 再構成可能デバイスは対象とするアプリケーションに最適な構成を取ることで,処理を高速化出来るという利点がある. そこで,本アーキテクチャではマルチコンテキスト型の粗粒度再構成可能デバイスを用いることで,アクティブソフトウェアの条件判定処理の高速化を試みた. また,条件判定機構を実装し,VDECを通してチップを試作した.