モデルは, 発言間の二項関係である継続関係または応答関係にある発言の まとまりを構成単位とする. 本研究では, 「質問とそれに対する応答」のよう な発言間の関係を応答関係, 質問等の発言を構成する一段小さな単位からなる 発言間の関係(「誰が行くの?」「学校に」のようなある発言と倒置)を継続関 係と定義する.
本手法では,発言間の関係を全て同定し、関係を持つ発言をまとめあげること で対話構造を解析する.発言間の対応関係の同定をある発言とそれに先行する 発言との間に継続関係または応答関係がある/ないの 2値分類問題に分解し, コーパスベースの教師あり機械学習を試みた.解析対象は, 対話構造を付与し たコーパス(2 人対話と3 人対話の合計69 対話, 12143発言) である.
本手法による対話構造全体の一致率は, 2人対話85.9\%, 3人対話84.7\%であっ た. 2人対話と3人対話それぞれの結果が同程度であることから, 本手法は複 数人の対話においても同様に適用できると言え, 本手法がチャット対話の対話 構造を解析する手段として有効であることが確認できた.