自己位置姿勢推定によるウェアラブル三次元形状計測システム

土 屋 雅 信 (0251072)


手元にある物体の形状を別の場所にいる人間に伝えたい場合, 現代では, モバイル機器に搭載されたカメラを用い, ネットワークを介して瞬時に他の人間に伝えることまで可能となった. しかし, 絵や写真は二次元の記録手法であり, 三次元情報を厳密に記録することは難しい. 三次元情報は, 自由な位置・角度から見通せるように提示することが可能であり, 物体の形状を他の人間に伝えた際に生じる誤解を低減できるという利点を持っている.

現在, 三次元形状情報の取得には, 図面や写真を元にして, 形状を手動でモデリングする手法が一般的であるが, モデリングに多大な労力が必要であり, 手軽には利用できない. 更に, モバイル機器のカメラのように撮りたい場所ですぐに撮影し, 得られたものを他の人に送信できるような計測機器はほとんど存在しない.

そこで, 本論文では, 手に持てる程度の大きさの物体を対象に, 三次元形状を煩雑な前準備なしに計測し, 結果を即座に他の場所に送出できる, ウェアラブル三次元形状計測システムを提案する. 提案システムでは, 計測システムのウェアラブル化により, 物体を様々な角度から眺めるという自然な動作で, 物体の形状計測を実現する.