歩行装置と没入型投影ディスプレイを利用した移動ロボットの遠隔操縦

峠田 正樹 (0251068)


近年,移動ロボットの遠隔操縦に関する研究が盛んである. 移動ロボットを人間が立ち入ることが難しい極限環境や,遠く離れた場所に配置して遠隔操縦することで,移動ロボットを操縦者の第二身体として扱うことができる.遠隔地にある移動ロボットを操縦するにはロボットの周囲情報と操縦デバイスが必要である.

操縦デバイスとして一般にジョイスティックやペダルを用いるものが多いが,これらは普段人間が行っている動作とは異なるために熟練を要する. そこで本研究では歩行動作を用いて移動ロボットの操縦を行う. 歩行動作は人間が普段行っている動作であり,直感的に分かりやすい操縦方法だといえる. 操縦デバイスと同様に移動ロボットの周囲情報の獲得も遠隔操縦において重要な要素である. 本研究では移動ロボットの上部に全方位画像センサHyperOmni Visionを搭載し,全周囲の画像を一度に獲得し,ネットワークを介して操縦者に提示することとする. これにより通常のカメラによる全周囲画像獲得時の,カメラの回転による機械的な時間遅延などは生じることはない. そして獲得された全周囲画像を没入型投影ディスプレイに提示することで,操縦者に高い臨場感を与える.

本研究では実際に作成したシステムを用いて実験を行い,その有用性を検討した.