メモ情報に基づくPeer-to-Peer型情報流通基盤の設計と実装
田中基貴(0251063)
メモや作業記録など(以下,メモ情報)は個人のアイディアや思考がつまった情報
である.そのため関心が類似する他者にとっては新たな発想や関心の拡大のきっ
かけになる有用な情報である.しかし,情報発信の手間やプライバシーの問題な
どから既存の情報流通基盤で流通することが少ない.また,メモ情報の有効活用
を実現するためのメモ情報に適した情報収集機構が存在しないといった問題もあ
る.このような問題から,メモ情報は個人のPCに蓄積される傾向にある.
そこで本研究では,メモ情報の有効活用を目的とした情報流通基盤を提案する.
その特徴は,「情報発信に手間がかからない」「情報流通範囲を容易に制御
できる」「関心および知識範囲を考慮した情報収集機構が存在する」の3点である.
これにより,自分のメモ情報は他者にとって,他者のメモ情報は自分にとって
新たな発想や関心の拡大のきっかけになりうる情報として活用することが可能
となる.
提案手法の有用性を検証するため,提案手法を満たすプロトタイプを用いた実証
実験を行った.その結果,提案手法によりメモ情報が有効に活用できることが実
証された.