ネットワークエミュレーションテストベッドにおける実験ネットワークトポロジ構築機構の設計と実装
鈴木 未央 (0251050)
ネットワークエミュレーションテストベッドにおいては,
ノード数,トポロジの複雑さ,機器の多様性が増すにつれ,実験
ネットワークトポロジへの資源割り当ての作業コストが高くなり,実験を円滑に
行えない.また,各機器の設定ファイルに物理的な構成情報と実験ネッ
トワークトポロジに関する情報が分離されずに記述さ
れていること,及びベンダによって記述方式が異なることで,作成した設定ファ
イルの再利用が困難である.
これらの問題に対し本論文では,実験ネットワークトポロジへの資源割り当て機
構を提案し,その設計と実装を行う.提案機構では,物理的な構成情報
と実験ネットワークトポロジに関する情報を分離して保持し,実験ネットワーク
トポロジに対し動的に資源を割り当てる.資源割り当て機構により,まずベン
ダ固有の記述方式によらない XML での設定ファイルを生成し,それを元にベン
ダ固有の記述方式に基づく設定ファイルを作成し,各機器に反映する.提案シス
テムの評価により,物理配線・ノード能力・機器の変更に左右されず実験ネット
ワークトポロジに基づき PC クラスタの自動設定を行え,異なる PC クラスタ環
境においても実験ネットワークトポロジの再利用が可能なことを明らかにする.