ストリーミング配信における再生時点を考慮した動的レート制御に関する研究

公森 義貴 (0251038)


近年のインターネットの爆発的な普及に加え, 伝播技術の高速化に伴う回線品質の向上により, エンドユーザによるストリーミング配信の利用が増えている. ストリーミング配信サービスの需要は今後も増え続けると予測され, ストリーミング配信におけるエンドユーザレベルのQuality of Service (QoS)保証が 益々重要になることが予想される.

ストリーミング配信を利用するエンドユーザに対しQoSを保証しながら配信を行う為には, ネットワークの状況に応じてサーバ・クライアント間でQoSを保証するような仕組みを提供する必要がある. 本研究ではサーバ・クライアント間の通信を用いて, クライアント側のバッファ状態とネットワークの状態を把握し, その情報を用いてエンドユーザレベルのQoSを保証する動的レート制御方式を提案する.

発表において, 対象となるストリーミング配信モデルとエンドユーザレベルのQoSの概要を示し, 転送レート更新に用いるコスト関数について説明する. 提案方式がエンドユーザレベルのQoS保証に効果的であることを示すためにシミュレーションによる数値例をいくつかとりあげ, 提案方式で用いる 各種パラメータの影響について述べる. さらに, 提案方式を用いて動的にレートを更新した場合と, 一定の転送レートでストリーミングを行った場合のUF数について比較し, 提案方式の有効性を示す.