本研究では、追跡対象のサンプル画像集合から、対象の骨格線を表すスティッ クモデルと対象の領域を表す楕円モデルを統合した対象モデルを自動的 に作成し、そのモデルを用いて追跡を行う手法を提案する。 この対象モデルは一対象の領域を複数部位の連結集合として表 現しているので、非剛体の 姿勢変化に対応でき、さらに各部位の検出信頼性を評価しているので外見的 特徴が少ない物体に対して適用した際にも致命的な推定失敗が起こりにくい。
提案手法の有効性を示すために、外見的特徴の少ない非剛体として金魚を選 んで評価実験を行った。実験では、まず金魚のサンプル画像集合から対象モ デルを自動的に作成し、複数の金魚による遮蔽が発生する環境下での有効性 を確認した。