マイクロアレイなどによる遺伝子発現データに対して、 広く行われている解析手法の一つにクラスタリングがある。 しかし最近になって、クラスタ解析の信頼性に対する 要求水準が上がってきている。 信頼のおける遺伝子発現解析を行うためには、 クラスタ解析の安定性とともに、クラスタ解析結果の信頼性の 定量的評価が必要である。
本研究では遺伝子発現データにおけるクラスタ構造に関する 階層的有意性検定法を提案する。 まずデータ空間の閉領域内にクラスタが存在することの 有意性検定を考える。 次にこれを用いて、主成分分析に基づく特徴部分空間において データ出現分布の不均一が存在することを検定する手法について 述べる。これらの手法を人工データ及び大腸癌遺伝子発現 プロファイルに対して適用し、その結果を示す。