分散環境におけるユーザ毎の統一名前空間構築機構の提案と実装

亀井仁志 (0251028)


計算機の低価格化,高性能化により,個人が複数台の計算機を利用 する環境が一般的になっている.また,利用者の利用環境が変化し,計算機を分 散利用することが一般的になり,利用者が利用する計算機の相互接続が進んでい る.このような分散環境では,ファイルシステムの名前空間は個々の計算機に強 く依存している.また,システムに依存するファイルを利用する場合,あらかじ め個々の計算機のファイルシステムの名前空間を把握しておく必要がある.既存 技術では,ホームディレクトリはNFSを利用して共通化することで,ある程度統 一的なアクセス可能である.しかし,システムディレクトリに対してCPUアーキ テクチャやライブラリなどが同一でない場合では,ファイルシステムの名前空間 を共通化することが困難である.また,システム管理権限のないユーザである場 合,システム依存ファイルの管理ポリシーの違いなどによる利用制限が問題とな る.本論文では,まずファイルシステムの名前空間をユーザ毎に管理するために, Virtual File System (VFS)のディレクトリエントリ管理に対して仮想名前空間 を定義する.そして,仮想名前空間を元にユーザ毎にファイルシステムに依存し ない名前空間管理可能にするVFSの名前空間管理機構を提案する.