現在,電動車いすは,身体の不自由な人々の重要な移動手段となっており,これ からの高齢化社会において,その需要はまずます高まるものと考えられる.こう した中,より安全で快適な「インテリジェント車いす」の実用化が望まれてい る. 通常,電動車いすの操縦は,行きたい方向にジョイスティックを倒すことで実現 されているが,両手が塞がっているなどジョイスティックを握ることが困難な人 には操縦が難しい.この観点からステレオカメラを用いて顔の向きを計測し,そ の結果を車いすの操縦に用いることにより, ハンズフリーで操縦できる「インテリジェント車いす」の開発を行ってきた. しかし,カメラによる顔情報計測は,高精度な測定が可能であるが,明るさの変化などの周囲の環境の変化や 測定範囲が限定されてしまうという問題がある. そこで本研究は,背もたれ部の圧力分布から搭乗者の姿勢推定 を行うことを提案する.さらにカメラによる顔情報計測と本システムを組合せ, 従来の顔のみの車いすよりも頑健な車いすの操縦インタフェースシステムを構築する.