天井光源の幾何学的特徴を利用したロバストな自己位置同定手法

前田賢一郎 (0151205)


ロボットやPCが人間の生活環境で人間を支援する人間機械共存系を実現する上で自己位置は最も重要な情報である. 自己位置情報の利用例として,室内移動ロボットが自己位置を認識して自律的に移動し案内や人探しを行うことや,ウェアラブルPCや歩行者ITS端末などが自己位置を同定することでユーザの位置を検出して場所に応じた情報提示を行うことなどが挙げられる. 生活環境で実用的に利用できる自己位置同定手法への要求は今後さらに高まると考えられる.

本研究では生活環境での利用を想定し,天井光源を利用してカメラの高さ・姿勢の変化とユーザによるオクルージョンに対しロバストな自己位置同定を実時間で行うことができる手法を提案する. 天井に向いた単眼カメラで撮影した未知光源の天井光源地図における光源ID(識別情報)を特定することで大局的自己位置同定を行う. また本手法では通常は撮影された光源のID情報のみを特定し,アプリケーションからの要求があったときのみ特徴点の画像座標値と天井光源座標値の対応を利用し詳細な自己位置を計算する.

本発表では撮影した天井光源のIDを特定する処理について詳細を述べる. 光源の特徴を抽出して幾何学的な計算を行い,既知光源に対する未知光源の相対位置と,地図中の既知光源に対する対応付け候補光源の相対位置を比較してIDを特定する手法について説明し, 本手法を実装し実際に生活環境で自己位置同定実験を行った結果について示す.