ゲインスケジューリングを利用した車両追従制御

山根 新吾 (0151118)


本発表では車両の追従走行について取り扱う.追従走行とは,人間の操作で移動する車両に後続の車両を自動でついて行かせるものであり,完全な無人自動運転に比べて実現の可能性が高い.
通常,追従走行の際には,車間距離を調整する縦方向制御と操舵を行う横方向制御とに分けて行う.横方向制御を行う際に重要となる,車両の横方向動特性にはパラメータとして縦方向速度が含まれている.このため,低速時と高速時とでは,横方向動特性は大きく異なる.ある固定の縦方向速度での横方向動特性に合わせて設計されたコントローラでは,設計時の値から縦方向速度が大きく変動した場合,追従不能になる可能性がある.故に,コントローラは,追従車の縦方向速度が低速の場合から高速の場合まで,連続的に追従性能を保証するものでなければならない.
時変パラメータにより変化する制御対象に合わせて,コントローラも変化させることにより,制御性能を確保する方法にゲインスケジュールド制御がある.本研究では,縦方向速度を時変パラメータと考え,横方向制御にゲインスケジュールド制御を適用した.そして,この制御則を移動ロボットに実装して実験と評価を行った.