遺跡・遺物のディジタルアーカイブのための形状サーフェスモデル生成法
安川 慶 (0151113)
本研究は,遺跡・遺物の3次元形状をコンピュータ上でリアルに再現することを
目的としている.その再現に必要な3次元形状データは,近年の科学技術の急速な
発達によって利用可能となった3次元形状計測装置を用いることにより得ることが
できる.考古学の分野では,計測データを加工して見た目にきれいな形状を
再現するのではなく,できる限り計測データに忠実な形状を再現することが
求められる.そのため,本研究では3次元スキャナを用いて得られた計測データを,
コンピュータグラフィックスの技術を利用して忠実に再現する手法を提案する.
本手法は3次元形状計測装置を用いて取得した,隣接する点の情報を持たない点群に
対して,高速に面を推定する手法にもとづき,面推定の過程で点群の持つ位置情報
そのものを保存するという点で従来手法よりも優れたものである.
本手法の有効性を検証するために,実際に水鳥形埴輪を3次元スキャナで計測し,
提案手法を適応することにより3次元形状の再現を行った.その結果,
正確な形状が再現され,本提案手法は有効であることを確認した.