Gタンパク質共役型受容体に対するGタンパク質の結合選択性解析

村松 孝彦 (0151107)


Gタンパク質共役型受容体(GPCR)は、非常に大きなタンパク質のファミリーであり、 生体内の様々な部分において、重要な役割を担っている。 GPCRも他のタンパク質と同様に、近年たくさんの 新規遺伝子が発見された。しかしながら、その機能解明方法は いまだに大部分を実験的手法に頼らなければならず、 機能解明には多くの時間と人手を必要としている。このような状況から、 ハイスループットにGPCRの機能を決定する方法の確立は不可欠であり、 計算機的手法による機能予測の開発の必要性が高まっている。

GPCRはリガンドによって活性化された時、特定のGタンパク質に対して結合する。 この結合選択性に関して、多くの研究が行われてきたにもかかわらず、 どのGタンパク質と結合するかについて、 GPCRの配列のみから予測することは未だにできていない。

本研究では、この結合選択性のメカニズムを理解するために、 立体構造のわかっているロドプシンをテンプレートとし、いくつかの観点から 異なるGタンパク質と結合するGPCRの配列の特徴を解析した。

まず始めに、ループ領域における基本的な特性について調べた。 特定のGPCRに関しては、特徴的な傾向のある特性を発見できたが、 多くのGPCRについて見られる一般的な傾向は発見できなかった。

次に、ヘリックス領域における各位置でのアミノ酸出現頻度に関する評価を行った。 擬似度数法を用いて、置換行列から観測アミノ酸出現頻度から各位置における アミノ酸出現確率を推定した。 そののち、相対エントロピーを用いたスコアを定義して、 それを基に、ヘリックス領域において、結合選択性と関係について 評価を行った。その結果、特定のGタンパク質(Gs)と結合する GPCRに特徴的な部位を同定した。 これらの結果を基に、結合選択性に関連する配列及び構造的特徴について議論する。