WWWキャッシュサーバにおけるシーケンシャルアクセスを重視した Disk I/O処理の高速化に関する研究

三野 敦史 (0151103)


WWWキャッシュサーバにリクエストが集中すると,Disk I/O処理がボトルネック となり,レスポンスタイムの悪化に繋がる.そこで本研究では,Disk I/O処理を 改善し,WWWキャッシュサーバの性能向上を図る.

WWWキャッシュサーバのDisk I/O処理の特徴として,ランダムアクセスの多さが ある.ランダムアクセスはシーケンシャルアクセスに比べ,処理速度は遅い.ま た,キャッシュディスクに汎用ファイルシステムを用いた場合,ファイルアクセ ス時に,そのファイルのメタ情報へのアクセスが発生する.このメタ情報はファ イルシステムによって管理されているが,ディスクに格納されているため Disk I/O処理が余計に発生する.そこで本研究では,ランダムアクセスを減らし, シーケンシャルアクセスを増加させる方法としてリングバッファ方式とプライオ リティ方式を提案した.また,ディスクに格納されているコンテンツのメタ情報 をメモリに保持する機構の提案も行った.そしてこれらの機構をWWWキャッシュ サーバプログラムに実装してベンチマークテストを行った.その結果,従来の WWWキャッシュサーバプログラムに比べ,キャッシュにヒットした時のレスポン スタイムを最大で88\%減少させることに成功した.また,処理可能なリクエスト レートも上昇し,サーバ性能の向上を確認できた.