組み込み向けマルチスレッドプロセッサの設計と評価

松本 剛英 (0151099)


近年,情報家電製品などプロセッサを組み込んだ製品の開発が進み, 組み込み向けプロセッサの需要が拡大して来ている. また,単なる低消費電力のプロセッサにとどまらず, 音声認識,画像処理,動画配信などのメディア処理,情報を安全にやり取りする ための暗号処理などの高度な処理を行うプロセッサが求められている. そこで,本研究では高度な処理を可能とする組み込み向けプロセッサについての 研究を行った.

組み込み処理では,制御と同時に環境のモニタリングなど複数の処理が並列で実 行される.そこで,これらの処理を別スレッドとして扱うことができるマルチスレッ ドプロセッサのアーキテクチャを採用した. また,応用に応じて専用の演算器の導入を考慮してアーキテクチャを設計した. さらに,スレッドレベルの並列化に加え, SIMD(Single Instruction Multiple Data), 命令レベルの並列化を行うアーキテクチャを用いることにより, 処理の並列度が向上することを目指した. 処理の並列度を高めることにより,プロセッサの処理能力は向上し, より高機能な処理が可能となる.

本研究では、このようなアーキテクチャを用いたプロセッサを設計し, 論理合成及びシミュレーションによる評価を行った. 発表では,設計したプロセッサのアーキテクチャについて述べ, その評価について述べる.