第1に, 多種類の生理信号を併用する思考状態推定モデルの有効性を検証した. まず思考状態の基本モードを定義し, 心電,瞬目,呼吸の生理活動データを併用して人間の各モードを推定する方法を, 検証実験データを用いて検証と考察を行った. この結果,それぞれの生理信号を単独で用いた思考状態推定モデルに比べ, 3種類の生理データを併用した生理信号モデルが 日変動の影響を抑え安定して高い精度で思考状態の推定ができることを確認した.
第2に, 実験日毎のモデル構築の手間を削減する方法の検討を行った. 推定するモードを限定した簡略モデルを構築することにより, 限定したモードの推定精度を維持しながら モデル構築の手間を大きく削減することが可能であるという結論を得た. そこで,簡略モデルの構築方法と,簡略型の実験方法を提案した.
最後に, 実験データを用いて簡略モデルの検証を行い,提案手法の有効性を確認した.
本発表では、初めに多種生理信号を併用するモデルの構築方法と評価結果について示す。 次に、モデルの簡略化方法とその有効性を示す。