音場制御とマイクロホンアレーを利用した音声対話システム用インタフェースに関する研究

雛元 洋一 (0151084)


本発表では,音場制御とマイクロホンアレーを併用したバージインフリー音声対話シ ステムを提案する.従来の音響エコーキャンセラを用いた音声対話システムにおいて は,特に様々な外乱によって室内伝達系が変動した際に,その伝達関数を推定・更新 することが不可欠である.しかし,この伝達関数の推定処理は,ユーザが自由にかつ システムからの応答音声と同時に発話することを妨げる.この問題を解決するため に,三野らは複数のスピーカを用いて音場を制御するバージインフリー音声対話シス テムを提案している.本研究では,さらにこのシステムにおいてユーザ音声収録用に マイクロホンアレーを用いることで,以前提案された手法のスピーカ数を削減しつ つ,より伝達系変動にロバストなバージインフリー音声対話システム用インタフェー スの実現を目指す.そのため,まず,音場制御と遅延和型マイクロホンアレーを用い た音声対話システムを提案する.シミュレーション実験結果より,提案法は従来の音 響エコーキャンセラおよび音場制御を用いた音声対話システムよりも伝達系の変動に 対してロバストであることが明らかになった.提案法の問題点として,音場制御用のス ピーカ数を極端に少なくするとその性能が急激に劣化し,十分なシステム応答音消去性能が得られないことも分かった.この問題を解決するため,空間の情報を考慮 したマイクロホンアレーを新たに導入する.これにより,スピーカ数が少ない場合, 遅延和型マイクロホンアレーを用いた手法よりも,伝達系変動時においてシステム応答音消去性能の優れた音声対話システム用インタフェースを実現できた.