Mobile Ad Hoc Network における名前解決手法に関する研究

千葉 周一郎 (0151063)


無線技術の発達と普及により 通信インフラストラクチャに依存せず端末の自律的な経路制御により端末 同士の通信を可能にする Mobile Ad-hoc Network (MANET) が注目されている。 MANET では端末が通信メディアとして無線を利用し移動することが前提となっている。 そのためネットワークリンクやトポロジが不安定であること、そして移動端末の参加・ 離脱が頻繁に起こる可能性があるという問題がある。

これらの問題を考慮し MANET に適応した経路制御プロトコルが IETF(The Internet Engineering Task Force) の MANET Working Groupにおいて複数提案されている。 しかし、MANET においてアプリケーションやサービスの利用など実際の通信を 行うにあたり実用上必要とされる機能に関してはあまり議論がなされていない。

本研究では、このような機能の中でも特に名前解決に注目する。端末の利用者に 認識しやすい識別子を各端末に割り当てることにより、利用しやすいネットワー ク環境を構築することが重要であると考えた。そこで、MANETを構成するノード 同士が自律的に名前解決を行うことにより通信を実現する事を目指し、MANETに 適応した名前解決機構の提案を行う。

また、MANET における名前解決機構の機能要件についてまとめ、この要件を満 たす名前解決手法について述べる。提案した名前解決手法の検証を行う。