独立成分分析を用いた制御系の解析

吉川 義人 (0151038)


近年,独立成分分析(ICA)が音声,画像,通信,医療信号処理といった様々な信号処理の分野で注目を受けいている. 本発表では,その独立成分分析の制御系への適用について述べる.

制御工学 では未知のメカニズムである制御対象を通った信号に,未知の外乱が混合されるケースがしばしばあり, その様な場面に独立成分分析が有効であると期待するのは自然である.しかし, 独立成分分析では静的に混合された信号に対して分離を行うのが一般であるのに 対して,制御で扱うシステムは常に動的であることから通常の独立成分分析をそ のまま適用することは出来ない.

そこで本発表では,多項式行列の分数表現を用 いるとで動的な混合をモデル化し,固定要素を含む行列を混合係数として持つ線 形拡張手法を提案する.この手法の有用性を数例の数値シミュレーションの結果,及び機械システムへの適用実験によって確認する.