歩行運動における足指の役割に関する研究

岩間博哉 (0151012)


近年, 様々な二足歩行ロボットが開発され, その性能は年々向上している. しかし, その歩行状態は完全に人間を模倣出来ているとは言えない. その要因の一つとして, 二足歩行ロボットの足の形状はいわゆる一枚板が多く, 人間のような足指が存在しないものが多いことが挙げられる. 歩行中の人間の足に関しての研究はこれまで, 足裏圧力分布, 足指圧, エネルギー消費など数多く報告されている. しかし, 足指の有無による歩行時のそれらの変化に関しては報告されていない.

本研究では, 人間の足指の役割を調べる. その方法として, 足裏圧力分布計測システムを用いて足指の有無による歩行時の足裏圧力分布の変化を, 足指圧計測システムを用いてより詳細な足指にかかる圧力の変化を計測する. また, 歩行全体の変化を調べるために, 3Dモーションキャプチャを用いて足指の有無が歩行姿勢に及ぼす影響を考察する. さらに, 呼吸機能検査により足指の有無による歩行中のエネルギー消費量の変化を計測し, それらを結び付けて歩行運動における足指の役割を解明する.