周辺順位符号化によるステレオマッチング

井上 洋思 (9951011)


マッチング正当率が高く,高速なステレオマッチン グ法を設計するための3つのポイント(小域処理と大域処理の併用,二者択 一による評価,順位情報の利用)に基づいた 新しいarea-basedマッチングの手法である周辺順位符号化法を提案する.

従来の手法では,高精度(高いロバスト性と識別能力を兼ね備えたもの)と高速性, ロバスト性と識別能力という2つのトレードオフの関係をうまく調節できていな かった.そこで本研究では,着眼点を上記の3つに分けそれぞれがどのように高 精度化と高速化に効果があるのかをそれぞれ個別に検討する.得に,互いの位置 関係から影響を受けない性質を持つ小域的な情報を類似度の評価値算出の要素と するためオクルージョン領域におけるスムージングに強力なロバスト性を発揮する 「小域処理と大域処理の併用」と,閾値を設けて類似している(真)か類 似していない(偽)かを2値的に判断する際,閾値を高く設定すると真の持つ 情報量が大きくなり,高い識別能力を持つことを明らかにした 「二者択一による類似度評価」は今まで語られることのなかった新しい視点であ る.実画像を用いて実験を行い本手法が高精度と高速性を兼ね備えていること を明らかにする.