VLSIのオンチップモジュール間通信方式に関する研究

早川 朋一 (0151083)


近年のシリコンプロセスの超微細化により,LSI上に実現できる回路の規模は飛躍的に増大している. このため,従来はボード上で実現されていた一つのシステムが1チップ上に実現できるようになっており,システム・オン・チップ(SoC)と呼ばれるLSIが登場している. SoCでは,モジュール化された回路が1チップ上にいくつも搭載されており,それらモジュール間の通信の重要性が増してきている. 現在,チップ内のモジュール間通信には,配線遅延の増加によるスキューの問題や,配線間隔の狭隘化と低電圧化によるクロストークの問題,また,ビット幅増大による配線困難の問題などが生じている.

そこで本研究では,以上の課題に対し,高速シリアル通信によるチップ内のモジュール間通信方式を提案し,設計,評価をおこなった. この通信方式は,送信側のモジュールから出力されるパラレル信号をシリアル信号に変換して,高速クロックを用いて伝送し,受信側でパラレル信号を再現するものである. 省面積かつ簡単な回路構造で1GHzの高速通信を実現した.

発表では,長距離配線における配線遅延に影響されずにモジュール間通信を実現する手法について,詳細に説明する.

なお,本研究について特許出願を考えておりますので,発表梗概での詳しい説明は省略させていただきます. また,発表会は学内限りとさせていただきます.