シリアル型干渉除去による分散基地局システムの周波数利用効率の向上に関する研究

岡本 良子 (0051201)


分散基地局システムはサービスエリア内に分散した複数の基地局で受信したRF(Radio Frequency)信号を光ファイバを用いて制御局に収集し,機能集約された制御局において,干渉除去を行うことによりサービスエリア内の移動端末が同一周波数帯域を用いた伝送を行うことを可能にし,周波数利用効率の改善を図るシステムである.

これまで,分散基地局システムにおける干渉除去方式としてMMSE(Minimum Mean Squre Error)が用いられ,その特性解析が行われている.しかしMMSEを用いた場合,ダイバーシチ利得が劣化し干渉除去効果が十分でないという問題があった.そこで,本発表ではMMSEにより判定した各ユーザの信号を元に干渉レプリカを生成し受信信号から順次,減算し干渉成分を抑圧し後,再度MMSEによる再判定を行うことで同一周波数干渉除去特性を改善するシリアル型干渉除去(Serial Interference Canceller : SIC)を適用した分散基地局システムについて説明し,計算機シミュレーション結果について報告を行う。