空間内挿型時変動補償を用いた適応変調方式の追従性改善に関する研究

Ignatius Budi Prasetyo (0051123)


フェージング環境における移動体通信において高品質かつ高速な伝送を実現するシステムとして、伝搬路状況 に応じて適切な伝送方式を選択して伝送を行う適応伝送方式が提案されている。しかし、移動体が高速に移動 する場合、伝搬路の時変動が高速となり、伝送方式の選択が伝搬路状況に追従できなくなるという問題がある 。

そこで、移動体の移動によって生じたドップラーシフトをアレーアンテナを使って内挿することにより補償し 、伝搬路状況によって変調多値数を選択する適応変調方式システムを提案する。提案方式では、直線アレーア ンテナを用いて受信信号が受けるドップラースプレッドによる時変動を取り除くことで、適応変調方式の追従 性を大幅に改善することが可能となる。計算機シミュレーションの結果、提案方式を用いることにより、移動 体が高速に移動することによるビット誤り特性、ならびにスループット特性の変化は改善することができる。