MPLS Network におけるトラフィック量の周期変動を利用した帯域割当て手法の提
案と評価
米田 孝弘 (0051120)
MultiProtocol Label Switching~(MPLS) が導入されたキャリアクラスの大規模
IP ネットワークにおいてデータと音声の統合が進んでおり、トラフィックに対
する Quality of Service~(QoS) の提供や、通信に対する高い信頼性の提供、ネッ
トワーク管理コストの削減が求められている。このため、Policy Server~(PS)
と呼ばれるネットワーク管理サーバによって、ネットワーク全体を集中的に制御・
管理する Policy Based Networking~(PBN) が注目されている。
しかし、PBN では PS にネットワーク制御・管理の処理負荷が集中するため、PS
のスケーラビリティが問題となる。トラフィックに対して帯域割当てを行う処理
負荷の削減は、この問題に対する効果的な解決方法であり、多くの研究が行われ
ている。しかし既存の手法では、帯域割当ての負荷である経路制御処理の発生数
がトラフィック量に比例して増加する問題がある。
この問題を解決するため、本研究ではトラフィック量の周期的な変動に着目した
帯域割当て手法を提案する。そして、様々なトラフィックモデルを用いたシミュ
レーションを行い、その評価結果を示すことで、PS のスケーラビリティの問題
に対する提案手法の有効性を明らかにする。