まず,Viterbiアルゴリズムを用いた音声データの自動ラベリングの評価を行ない,手動ラベルと遜色ない精度が得られることを確かめた.次に,自動音韻ラベルとその区間の尤度を用いてHMM音韻モデルの精密化を試みた.話速の変化やそれに伴う変形などのずれがより顕著に表れる音素集合に対して,話速や変形ごとに異なるモデルを並列に定義して,マルチパスモデルを構築した.語彙サイズ20~kの新聞記事読み上げタスクにおいて評価を行なった結果,提案したモデルはPTMで単語正解精度が92.3~\%から92.8~\%に向上した.また旅行対話~(語彙サイズ8k)タスクの評価では,68.8~\%から69.5~\%に向上した.