FPGAによる細粒度並列処理ゲノムシーケンス解析専用プロセッサの設計

水原 隆道 (00511103)


ヒトゲノムの解読が完了した今日においても,その意味的解析は課題として 残されており,ゲノム情報の配列解析は依然重要な基礎的技術である. 日々増加するさまざまな生物の膨大なゲノム情報やタンパク質構成の情報空間 から,遺伝生物学的かつ化学的意味を考慮した,高速で厳密な解析を施すゲノム 情報解析システムが望まれている. FASTA, Smith-Waterman法, Needleman-Wunsch法, および3D-1D法等の多くの解析アルゴリズムにおいて,動的計画法(Dynamic Programming:DP)が用いられている.

本発表では,DPをハードウェアによって高速処理する専用プロセッサRING-0を提案し, ゲノム情報学アプリケーションの特性に合わせたその最適設計について述べる. また,同プロセッサを用いて,代表的な相同性検索アルゴリズムSmith-Waterman法, Needleman-Wunsch法を高速に処理する手法について示す. 同プロセッサはデータフロー型のアーキテクチャを採用し,プロセッサ内部に複数 の処理装置を並べ,細粒度にて並列処理を行う方法を採用している. さらに,RING-0を拡張し,より生物学的意味を考慮するアフィンギャップモデルを 扱う専用プロセッサアーキテクチャRING-1による高速解析を図る. 本研究では,RING-0アーキテクチャのソフトウェアシミュレーションによる予備評価の結果, PentiumIII 1GHzと比べて,約13.5倍の処理速度が得られることを確認している.