スレッド処理フロー効率化のためのスケジューリング機構に関する研究

藤田 裕介 (0051092)


サーバプログラムや GUI (Graphical User Interface) を用いるプログラムでは, マルチスレッドプログラミングが主流となってきている.特にマルチスレッドプ ログラミングの中でも,プログラムの各機能をスレッドに分割し,各スレッドが 並列に動作することによって性能を向上させるモデルは,性能向上に加えてプロ グラミングが比較的容易になるという利点がある.しかし,現在のオペレーティ ングシステムのスケジューラは,このモデルを想定しておらず,スレッドの切り 替え回数の増加やスレッド処理フローの乱れによりシステムの性能が低下する. そこで,本研究ではオペレーティングシステムレベルで各スレッド間の処理フロー を考慮したスケジューリング機構を提案する.また,提案する機構を Linux 向 けに設計,実装した.その評価として,実装したスケジューラの稼働するホスト でリバースプロキシサーバを実行し,その性能を測定した.