全方向移動ロボットの全方位視覚に基づく人間との協調

乗松 泰明 (0051081)


現在, 多面的な人間の支援のために人間とロボットが離れた状態で使用可能な 協調の手法の開発が望まれてきている. 本論文では, 全方位視覚と全方向移動機 構を用いた人間との遠隔協調手法について論じる. このような人間とロボットの 協調の例の1つとして, 本論文では人間に蹴られた赤いボールの速度をロボット が推定して動作することについて考える.

このような協調を実現するために, 全方位カメラと全方向移動機構を 用いたシステムを構築した. 全方位カメラを用いることで人間とボールという複 数の目標物を動時に計測することが可能である. また, 目標物の認識は CMVision[7]を用いた高速な色領域分割により実現している。移動機構に全方向 移動機構を使用することで推定に基づいた動作を単純かつ可能にしている. また, その制御はRT-Linuxを用いたリアルタイム制御を行っている.

本発表では, はじめにその人間とロボットの協調行動を実行するために必要なタス クについて述べ, その手法の詳細について述べる. 次に本論文で述べる協調行動を実現 するために必要なシステムである4輪式全方向移動機構とCMVisionに基づく視覚 システムについて示す.またそこで台車の走行予備実験と速度推定の予備実験に ついて示す. そして最後にこのシステムを用い, 提案した手法を用いた実験結果 について示す.