ネットワーク遅延を考慮したWWWサーバベンチマークシステム

西村敦隆 (0051078)


WWWによるさまざまなサービスが提供されるにつれ,大規模なWWWサーバシステム の安定運用に対する需要が高まってきた.大規模なWWWサーバの安定運用にはサー バシステムの性能上限を把握することが必要であり,その調査には,一般的にベ ンチマークシステムを用いる.しかし,既存のベンチマークシステムはLAN環境 でテストを行うため,現実の環境におけるネットワーク遅延が考慮されていない. したがって,ベンチマークシステムの結果が現実の環境を反映しないことがある.

そこで,本研究では,実際のネットワーク環境に近い実験環境を実現するため, 複数のサーバ・クライアント間のコネクション毎に異なる遅延時間を挿入したベ ンチマークシステムを提案し,実装する.提案システムを用いた実験により,ネッ トワーク遅延を考慮する場合と考慮しない場合でWWWサーバに与える負荷がどの ように変化するかをパケットモニタリングシステムを用いた観測により検証した.