そこで本研究では、クラスタにおけるコンテンツ更新時に コンテンツを一斉公開することにより、不一致 を解消し、コンテンツの同一性を保持する機構を提案する。 提案方式では公開に至るまでの処理を格納処理と公開処理に分離し、 全てのサーバが格納した後に一斉に公開する。 処理を分離することにより、それぞれのサーバで公開に至るまでの処理の時間差を 吸収することができる。 このため、提案方式はサーバを集中配置したクラスタ、 転送に時間を要するような分散配置したクラスタに適用できる。 提案方式の優位性を検証するために、他方式と比較する実験を LAN (Local Area Network) 内で実施した。また提案方式を運用実験によって評価した。
さらにネットワーク要素の故障により、更新処理に失敗することを考慮した。 故障により更新に失敗すると、クラスタ内のコンテンツは欠落する。 そこで、再確認することにより更新失敗したコンテンツを回復する 機構を設計、実装した。 再確認機構はネットワークが故障から復旧すると、更新処理を行い 欠落したコンテンツを補完する。一時的に故障を発生させる実験をLAN内で 行い、他方式と比較し評価した。
これらの評価実験により、一斉公開によりコンテンツの同一性を保持する機構と 再確認機構は クラスタのシステム構成に関わらず、 コンテンツの同一性を維持することができることを明らかにした。