複数の全方位画像を用いた広範囲な任意視点画像の生成

冨手 要 (0051068)


近年,バーチャルリアリティの世界に実環境を取り込み, 写実性の高い見回し可能なウォークスルー環境を実現する 研究が行われている.これらの研究はリアリティが要求される シミュレータの構築やウォ−クスルー可能なテレプレゼンスの 実現などに応用することができ,都市計画,交通工学, 教育やアミュ−ズメントなどの幅広い分野での活用が期待されている. そこで本研究では,実環境を仮想環境に取り込み,360°の見回しが可能でかつ, 広範囲なウォークスルーを実現するための任意視点画像の生成法の開発を目的とする. 提案手法では周囲360°の画像を一度に取得するために全方位画像センサを用い, 実環境中の複数の地点で全方位画像を取得する. 次に,取得した全方位画像とセンサの位置,および画像間の対応を入力として与え, 全方位画像のブレンドにより, ユーザの任意視点位置における全方位画像を生成する. 最後に,生成された全方位画像をユーザの視線に追従した 透視投影画像に変換しユーザに提示する. 実験では,全方位画像を複数枚取得し,屋内環境と屋外環境のそれぞれについて ウォークスルー環境を構築した. 実時間で任意視点の全方位画像を生成し, ジョイスティックを使用してウォークスルーを行うことにより, 提案手法の有効性を確認した.