ノイズ除去機構を有するホスウィッチ検出器を用いた血中RI濃度連続測定システムの開発
垂谷 一正 (0051061)
本発表では、ノイズ除去機構を有するホスウィッチ検出器(phoswich detector)をプラスチックシンチレータ及びBGOシンチレータを組み合わせて開発し、
ホスウィッチ検出器を用いてPET画像を定量化する際に必要となる血中RI濃度連続測定システムを構築したことを、基礎データを交えながら報告する.
ホスウィッチ検出器ではまず,チューブ中の血液中RIから放出されたポジトロンをプラスチックシンチレータで検出し,次にポジトロンが消滅する際に発する2本の消滅γ線の一方をBGOシンチレータで検出する.
プラスチックシンチレータとBGOシンチレータそれぞれの発光は減衰時間が異なるため,この差を利用してポジトロンとバックグラウンドノイズ(消滅γ線)は弁別可能となる.
ホスウィッチ検出器の基礎データとして,Ga-68を用い従来型β線検出器と同時測定を行い,検出感度を比較した.
検出感度はGa-68使用時0.15[count/Bq]であり,従来型β線検出器と比較して約5倍であった.
またバックグラウンドノイズから検出器が受ける影響は小さかった.
構築した血中RI濃度連続測定システムの動作確認実験として,被験者にO-15を用いたCO2,O2,COを投与し動脈血中RI濃度を連続測定した.
その動作確認実験の結果,構築したシステムの動作を確認できた.