仮想空間におけるロボットの軌道教示・生成システムの開発

田中 正史 (0051058)


従来の宇宙空間や海底などの極限環境で作業するロボットへの教示システムでは、オペレータの負担が大きい。もし、実際のロボットとその作業環境を計算機上にモデル化し、仮想空間内での直感的なシミュレーションを行い、その結果を利用して最適化した軌道を実際のロボットに教示することが出来れば、オペレータの負担が軽減できる上に、より精密な制御が可能となる。仮想空間への入力にはサイバーグローブを、仮想空間のオペレータへの出力にはヘッドマウントディスプレイを利用する。

システムは、ロボットとその作業環境を仮想空間に再現するモデルジェネレータ部、仮想空間内のオブジェクトを操作しロボットの初期軌道を教示するタスクシミュレータ部、教示された初期軌道を最適化し、実環境のロボットが動く軌道を生成するプログラムジェネレータ部から構成される。

本論文では、タスクシミュレータ部とプログラムジェネレータ部を開発した。タスクシミュレータでは、オペレータが初期軌道を簡単に生成できるシステムを作った。また最適化計算の効率化のため、初期軌道のノード数を削減する方法を考案した。プログラムジェネレータでは、3つの指標を用いて所望の軌道を得る方法を示した。 これらの成果をつないで、ロボットの初期軌道の教示と、教示された軌道を最適化した後実環境のロボットに最適軌道を描かせる実験を行った。