概念設計時におけるシナリオを考慮した情報構造化支援システム
0051057
概念設計において設計者が直面する問題の1つに,特に長期間に渡
る大規模設計においては,設計者が取り扱うべき情報が複雑で多岐
にわたることから設計者が設計内容の把握を行えなくなってしまう
ことが挙げられる.問題に対処する方法として,既にデザインラシ
ョナルの分野で設計過程で生成される情報を外在化し構造化するア
プローチがある.しかし,これらのアプローチが前提としている既
存の概念設計のモデルにおいては,概念設計を行う上で重要とされ
るシナリオの観点での情報の外在化,構造化がほとんど考慮されて
いないという問題がある.
これに対して我々は,これまでに設計解の詳細化とともにシナリオ
の詳細化についても考慮した概念設計のモデルであるCDS (Conceptual
Design guided by Scenarios) モデルの提案をおこなってきた.
本発表は,この CDSモデルに基づき,設計者が扱うべき情報の外在
化,構造化を行い,設計解の詳細化とシナリオの詳細化の2つの観
点から設計者による設計内容の把握を容易にし設計を効率的に行う
ための設計方法論の提案を行うものである.
発表では,提案した方法
論,及び方法論に基づく設計情報の外在化,構造化を通して概念設計
を支援するシステムCD-Sceneryの構築について説明し.CD-Scenery シ
ステムを利用した概念設計のケーススタディによる,提
案した方法論の有効性を検証について述べる.