PET頭部検査における光学式トラッキング装置を用いた動き補正システム
の開発と評価
佐藤 夏子(0051043)
ポジトロン・エミッション・トモグラフィ(PET)は脳・心臓疾患やがん組織を
機能的な側面から捕らえることができる診断装置である。近年PET装置
の空間分解能の向上に伴い、撮影中の頭部の動きによる計測誤差が
脳機能検査において問題となっている。
従来の固定具を用いた動き補正法では、被験者への負担および補正精度に
問題がある。本研究ではPET検査中における被験者の頭部の動きを光学式
トラッキング装置によりモニタし、動きを補正するシステムを開発した。
構築したシステムでは、被験者に光学式トラッキング装置が発する
赤外線を反射するターゲットを装着した帽子を被らせて撮像をする。
撮像は非常に短いフレーム時間で連続収集を行い、光学トラッキ
ング装置で追跡した撮影中の頭の動きのデータを用いて連続撮影に
よって得られた各PET画像の動きを補正した。
システムの性能評価にあたって、まずマーカの数を変えて測定精度が
変化するかどうか実験をした。また最適化したマーカを用いて、ターゲットの
移動および光学式トラッキング装置との位置関係について精度評価実験をした。さら
に臨床実験によって補正画像の計測誤差についても評価した。