ウエアラブルMRにおける手を用いた直感的操作

小島 佳幸 (0051037)


コンピュータを用いた作業は、 短時間でデジタル情報を処理することができ、非常に効率的に 仕事をすることができる。 しかし、実際にはペンや書類を用いた作業の方が、コンピュータを使った作業よりも 簡便で利用しやすい場合がある。 例えば、机の上などの作業空間に、 資料を広げたり、メモ書きを貼り付けるなど必要な情報を状況に応じて 作業空間に配置していくことで作業効率を上げている。 現在では、実環境の作業と、コンピュータ上の作業を併行して行なう ことが多いが、両者の利点を互いに活かすことができないばかりか、 協調して作業が行えず、作業効率を下げることもある。本研究では、新しい作業環境として、自分の周りに 資料や紙を配置する物理的環境中に、デジタル情報の仮想オブジェクトを視覚的に融合し、 両者の利便性を同居させる3D融合ワークスペースを提案する。 3D融合ワークスペースはWearable Computer と MRを組み合わせたWearable MR により実現する。3D融合ワークスペースを用いるインタフェースとして、 ユーザ自らの手を直接用いることで、仮想オブジェクトと実オブジェクト を境目無く直感的に扱えるClipインタフェースを構築した。

本論文では、実験を通して、 Clipインタフェースのデザインが3D融合ワークスペースを有効に 活用できることを示し、3D融合ワークスペースの基礎を提案する。