帯域を削減するための下流受信者数に応じたユニキャスト通信とマルチキャスト通信の切り替え機構の提案と評価
河野智彦 (0051035)
マルチキャスト通信は、
大人数へのリアルタイムストリーミング通信において
帯域を有効に利用できる通信方式として期待されているが,
実際のインターネットにおいて殆ど使用されていない.
これは,
マルチキャストを利用できる設定がインターネット上で広く有効にされていないためである.
そこで,本研究ではマルチキャストがネットワークにおいて有効に
設定されていない原因について考察をおこない,
その原因を解決できる仕組みとして,
ユニキャスト通信とマルチキャスト通信の切り替え機構を提案した.
この機構によって,
ネットワークはストリーミング通信ごとの受信者数を把握した上で,
ネットワークで利用可能なマルチキャストプロトコルの中から利用効率の高いプロトコルを選択し,
送信者に使用させることが可能となる.また,送信者においてもネットワークからの応答に応じて,配送方法を切り替えることで帯域の削減効果を得られる.
本論文では提案方式を実際に実装することによって,その動作の確認と評価を行なった.その結果,提案方式がリアルタイムストリーミング通信において有効に動作できることを確認した.