文書ランキングを対話的に調整するWWW検索支援手法

木下 敦史 (0051029)


キーワード型検索手法は,現在ほとんどのWWW文書検索サービスで用いられている標準的な検索手法である.
しかし,検索結果はしばしば膨大となるため,適合文書を文書ランキングの上位に配置する必要がある.
しかし,従来の検索システムではユーザに適切な文書ランキングを提供することが困難であり,現在数多くの研究がなされている.

本発表では,ユーザに各々の検索意図に沿った個別のランキングを提供することによって,検索におけるユーザの負担軽減を目的とする,WWW検索支援手法を提案する.
具体的には,システムが提示する文書ランキングに対して,ユーザが自分の検索意図をシステムに伝える操作を行い,その操作をもとにシステムが文書スコアの計算規則を修正して新しい文書ランキングを提供する,という対話的手法について発表する.

本発表ではまず,提案手法の概要を述べ,ユーザの操作をスコア計算規則の修正に反映する3通りの手法を提案する.
次に,本提案手法を実装した試作システムに対して行った,被験者を用いた実験,および,ベンチマークテストの結果について報告する.
評価実験の結果より,本提案手法に基づいて文書ランキングの調整を行うことによって,ランキングの下位に埋もれていた適合文書をユーザに提示できることが分かった.