局所的に細密な陰関数表現を用いた没入型仮想彫刻モデラ

海部 陸 (0051022)


仮想彫刻と呼ばれるモデラでは,盛る・削るといった直感的な操作で3次元自由形状のモデリングを行うことができる.本発表では,形状の部分的な拡大表示を行い,そこにより細かな変形を加えることができる没入型仮想彫刻モデラを提案する.本モデラでは,3次元形状は陰関数で表され,格子の頂点に置かれたスケルトンと距離場関数によって,その形状が決定される.この格子の間隔と距離場関数を変えることにより,加える変形の細かさを制御することが可能であり,これらをツールサイズごとに設定する.細かな変形を加えるときにはスケルトンを局所的に細密な格子の頂点に置くというデータ構造を用いる.また,陰関数表現を効率よくポリゴンに変換する手法を用いて高速にレンダリングを行う.この時,拡大の度合いに応じて適切な数のポリゴンに変換することにより,拡大時に描画が粗くなることを防ぐ.最後に,試作したモデラによって,実際に3次元形状のモデリングを行い,細かな表現を含む形状を簡単かつ直感的な操作でモデリングできることを示す.