そこで,最近では Internet Protocol (IP)ベースの 仮想専用網が構築できる Multiprotocol Label Switching (MPLS) の導入が急速に広まっている. MPLS網では,回線や機器に障害が発生した場合 Label Switched Path (LSP)と呼ばれる 仮想通信路 を再構築する必要がある. これを障害復旧と呼ぶ. 現在MPLSで実現されている障害復旧技術 には, RerouteとProtectionと呼ばれる2方式がある. しかし,Rerouteは, 復旧に時間がかかり, Protectionは, 復旧のための帯域消費が多いという短所を持っている.
そこで,本研究では 消費帯域が少なく,かつ,高速な障害復旧を 実現するための機構として, Rapid-CR-LDPを用いた Server-based Protectionを提案する. この方式は,MPLS網に障害の監視と 復旧処理を行うサーバを導入し, 各ルータからサーバに障害通知を行い, サーバが復旧経路を一括して再構築する 高速な障害復旧方式である. 本提案方式を用いることで障害復旧時間 を大きく短縮できることを シミュレーションと実装を用いて示す. また,最大復旧時間を解析的に見積る ことで,本提案方式をMPLS網へ導入する ための指標を示す.