縮退故障のテスト生成アルゴリズムを用いた
パス遅延故障のテスト生成に関する研究

大谷 浩平 (0051016)


近年の半導体集積技術の進歩に伴い,VLSIの集積度,動作速度は飛躍的に向上し ている.このような状況において,現在広く用いられている故障モデルである 縮退故障に加えて,回路が設計仕様を満す速度で動作することを確かめる 遅延故障のテストが重要視されるようになっている.いくつかある遅延故障モデルの なかでもパス遅延故障は最も一般性のある故障モデルであることが知られている.

本研究では,組合せ回路のノンロバストテスト可能なパス遅延故障と機能的活性 化可能なパス遅延故障に対するテスト生成を,縮退故障用のテスト生成アルゴリ ズムを用いて行う方法を提案した.具体的には,ノンロバストテスト可能なパス 遅延故障に対するテスト生成において,与えられた組合せ回路を部分リーフダグ と呼ばれる回路へ擬似的に変換し,部分リーフダグに対して縮退故障用のテスト 生成アルゴリズムを用いてテスト生成を行い,得られたテストパターンを2パター ンテストに変換する.機能的活性化可能なパス遅延故障に対するテスト生成にお いて,部分リーフダグをさらに擬似的に変換し,変換した回路に対して縮退故障 用のテスト生成アルゴリズムを用いて元の回路の機能的活性化可能なパス遅延故 障に対する2パターンテストを生成する.本研究ではさらに本手法を用いたノンロ バストテスト可能なパス遅延故障に対するテスト生成について実験を行い本手法 の有効性を示した.

本発表では,ノンロバストテスト可能なパス遅延故障の縮退故障のテスト生成ア ルゴリズムを用いたテスト生成法について紹介し,その有効性を示す.