顔情報計測に基づくドライバーの状態推定

怡土順一 (0051006)


交通事故の原因の中でも,運転中の居眠や脇見,安全確認忘れ等の「危険・異常 の見落とし」の占める割合は大きいとされている.
しかし,蛇行量・ハンドル操舵角等の車両情報計測に関する研究や 車間距離・路上白線認識等の走行環境情報計測を対象とした研究に比べ, 実車両においてドライバーの状態計測まで至っている研究は少ない.
このことから,ドライバーの状態をモニタリングすることが可能となれば事故防 止や運転支援等のシステム構築に貢献できると考えられる.

これまでも脳波や心拍数・皮膚電気活動・瞬目などの生体情報の計測が行われて きた.しかし,従来の方法にはセンサをドライバーに装着する必要性や運転中に 簡易に計測できる小規模なシステムが少ない等の問題があり,拘束感による不自 然状態や安全面での障害が生じることがあった.
また,顔の計測に関する研究では静止画像もしくはオフラインの画像系列を用い たものがほとんどであり, 車上での利用を考えるとリアルタイム性に欠けるとい う問題がある

ドライバーの状態を推定するためには,まずドライバーの挙動を計測し,モデリン グを行うことが必要となる.
本研究では,まず非接触型でリアルタイム性を持った顔情報計測システムを構築 する.そして,そのシステムを実際に車に搭載してドライバーの顔情報を計測し, 様々なシチュエーションで現れる特徴を抽出意味づけを行う.