第3世代移動通信ネットワークにおけるモバイルIPの検証

Christopher Martin Kerr (9951206)


本研究の目的は、モバイルIPが第3世代移動通信ネットワークにおけるIPモビリティを実現するための十分に成熟した適切な技術であるかどうかを評価することにある。

第3世代移動通信ネットワークは、ワイヤレスインターネット接続を効率的に行い、インターネットとの親和性を高めるため、インターネット技術を積極的に取り入れる必要がある。そこで、All-IPと呼ばれる概念に基づいた第3世代移動通信コアネットワークが研究されている。All-IPにおいて、コストを極力抑え、かつ、異なるアクセスメディア間のローミングといった高度なサービスを可能にするために、IPモビリティは極めて重要な技術となる。特に、モバイルIP技術は、第3世代移動通信ネットワークにおいてIPモビリティを実現する有力な候補である。

本研究では、第3世代移動通信ネットワークにおけるIPモビリティについて調査を行い、さらに、キャリアスケールモバイルIP実験システムにより、モバイルIPによるIPモビリティの検証を行う。この調査と検証結果から、モバイルIPは広範囲であるマクロモビリティを実現するための非常にメリットの多い技術であることを明らかにする。一方、セル間などの狭い範囲であるマイクロモビリティをモバイルIP技術を用いて実現することには限界があり、さらなる検証が必要であることを示す。