人形型インタフェースを用いたCGアバタ操作による遠隔コミュニケーション

棚瀬 篤史 (9951203)


近年, 計算機の高性能化やインターネットの普及に伴い, VRML(Virtual Reality Modeling Lnaguage)によって記述されたサイトや三次元CG(コンピュータグラフィックス)による通信対戦ゲームなどといった, 仮想空間におけるアバタを介した遠隔コミュニケーションの利用が急拡大している.

本論文では, こうしたCGアバタの身体操作に必要な機能を有した人形型インタフェースを開発し, それを用いたCGアバタ操作による遠隔コミュニケーションを提案することを目的とする. この人形型インタフェースは, アバタの身体動作入力のための多関節構造体動作入力機構, アバタの仮想空間内移動のための移動方向入力機構, 仮想空間におけるより高度な物理的インタラクティヴ性を実現するためのフィードバック機構とをそれぞれ有することを特徴とする. 実際に2体の人形型インタフェースとそれを利用してアバタの身体操作を行うことが可能な非没入型仮想空間を試作し, 動作検証実験とコミュニケーション実験とを行い, 人形型インタフェースを用いたCGアバタ操作による遠隔コミュニケーションの有用性を示す. 最後に本論文において開発された人形型インタフェースの問題点とその解決手段についてや, 他の特徴を踏まえた今後の応用研究の可能性についても考察を展開する.